上顎第一小臼歯の便宜抜歯にて矯正治療を行なった重度の開咬症例。

　開咬の原因となっている舌（突出）癖を排除するMFT(筋機能療法)を行いました。上顎前突の改善のために上顎第1小臼歯の便宜抜歯を行って上顎前歯のリトラクション（後方移動）を行いました。Up & Down エラスティックスを用いて開咬の改善を行いました。

　MFTとエラスティックス装着に対する患者さんの良好な協力が得られ、予定より短い期間で動的治療を終了することができました。開咬と上顎前突はともに改善され、全てのエリアで正常で機能的な咬み合わせとなりました。咀嚼障害と発音障害は劇的に改善されました。

　AfterⅣの写真は上顎第1小臼歯の便宜抜歯部位のスペースを利用して上顎前歯のリトラクション（後方移動）を行うイメージです。

　動的治療期間 : 1年9ヵ月

　治療費用：約90万円

　矯正治療には一般的に以下のようなリスクと副作用があります。

・患者さんによる適切なブラッシングが行われなかった場合に虫歯ができることがあります。
・ブラケット（装置）が粘膜を過度に刺激した場合、口内炎が起こることがあります。
・歯の初期移動の際に痛みを感じる場合があります。（通常数日で治ります）
・長期間の歯の移動により極めて希に歯根吸収が起こることがあります。
・矯正用の取り外し式ゴムを指示通り使用しなかったり、口腔の悪習癖が改善されない場合、計画している歯の動きが得られないことがあります。
・歯の裏側にブラケットを装着して治療を行う場合、装着後一定期間発音障害が起こることがあります。