早期治療により非抜歯にて治療が完了できた小児の叢生(ガタガタの歯並び)症例。

　叢生の改善のために、交換期を利用したスペース不足の軽減治療を行いました。
①Expansion plate（患者さんがご自身で取り外しのできる装置）を使用し上顎歯列の側方拡大を行うことで上顎前歯部のスペース不足の解消を行いました。
②リップバンパー（患者さんがご自身で取り外しのできる装置）を用いての上顎第一大臼歯の後方移動を行い、上顎永久側方歯部の前後的なスペース増大を行いました。
③永久歯萌出後はマルチブラケット装置による個々の永久歯の3次元的な移動を行いました。その結果、小臼歯非抜歯にて全てのエリアにおいて正常で機能的な咬み合わせとなりました。

　乳歯から永久歯への交換期において、上記のような適切な方法にてスペース増大を行い、その後にマルチブラケット装置を使用することで無理なく歯列の整直と機能的で正常な咬み合わせが得られるのです。

After　Ⅳはマルチブラケット装置のイメージです。

　動的治療期間 : 7年2ヵ月

　治療費用：約100万円

　矯正治療には一般的に以下のようなリスクと副作用があります。

・患者さんによる適切なブラッシングが行われなかった場合に虫歯ができることがあります。
・ブラケット（装置）が粘膜を過度に刺激した場合、口内炎が起こることがあります。
・歯の初期移動の際に痛みを感じる場合があります。（通常数日で治ります）
・長期間の歯の移動により極めて希に歯根吸収が起こることがあります。
・矯正用の取り外し式ゴムを指示通り使用しなかったり、口腔の悪習癖が改善されない場合、計画している歯の動きが得られないことがあります。
・歯の裏側にブラケットを装着して治療を行う場合、装着後一定期間発音障害が起こることがあります。