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上顎大臼歯部の欠損スペースを閉鎖した叢生をともなう成人の上下顎前突症例。

  • 30代
  • 上下顎前突
  • ガタガタの歯並び(叢生)
  • その他
  • 表からの矯正

 上下顎歯列の叢生(ガタガタの歯並び)を主訴に一般歯科からの紹介にて来院された34歳女性の患者さんです。右上の第一大臼歯を抜歯されており、さらに右上の上顎中切歯1本の永久歯先天欠如を認めました。マルチブラケット装置を装着し、小臼歯便宜抜歯を行い、ミニスクリュー(矯正用インプラントアンカー)を利用して前歯のリトラクションや欠損部のスペースを閉鎖するなどの矯正治療を行いました。

矯正前

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Before Ⅰ
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Before Ⅱ
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Before Ⅲ
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Before Ⅳ

 上下顎歯列に叢生(ガタガタの歯並び)を認め、上下顎前歯がともに前突し、側方からみたリップラインもEーLineを超えて突出した顔貌でした。
 右側上顎第1大臼歯が欠損、右側上顎中切歯が先天欠如していました。また下顎左側の第2小臼歯は残根(歯冠部を失っている状態)でした。
 診断の結果、残根状態の左下第2小臼歯と右下第1小臼歯と左上第1小臼歯の合計3本を変則便宜抜歯して前歯部叢生の改善と上下前歯のリトラクションを行うこととしました。

 Before 4の写真は、治療前のパノラマレントゲン写真です。

矯正後

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After Ⅰ
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After Ⅱ
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After Ⅲ
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After Ⅳ

 ミニスクリュー(矯正用インプラントアンカー)を左側上顎大臼歯部に利用して、最大の固定にて上顎前歯のリトラクションと上顎右側の第2大臼歯と第3大臼歯の近心(前方)に移動を行いました。上顎右側第1大臼歯の欠損スペースにおいては、これら上顎右側の第2大臼歯及び第3大臼歯(親知らず)を近心(前方)移動が完了したことで第1大臼歯の欠損部の補綴処置(人工の歯を取り付ける治療)を避けることができました。
 上下顎歯列の叢生はともに改善されキレイな歯並びとなりました。上下顎前突も改善され機能的な咬み合わせとなりました。
 右側上顎中切歯欠如部については、矯正治療終了後一般歯科にて欠如部の補綴処置を行なっていただきました。

 After 4の写真は、ミニスクリュー(矯正用インプラントアンカー)を上顎大臼歯部に利用して、最大の固定にて上顎前歯のリトラクションを行なっているイメージです。

 動的治療期間 : 2年10ヵ月

 治療費用:約90万円

 矯正治療には一般的に以下のようなリスクと副作用があります。

・患者さんによる適切なブラッシングが行われなかった場合に虫歯ができることがあります。
・ブラケット(装置)が粘膜を過度に刺激した場合、口内炎が起こることがあります。
・歯の初期移動の際に痛みを感じる場合があります。(通常数日で治ります)
・長期間の歯の移動により極めて希に歯根吸収が起こることがあります。
・矯正用の取り外し式ゴムを指示通り使用しなかったり、口腔の悪習癖が改善されない場合、計画している歯の動きが得られないことがあります。
・歯の裏側にブラケットを装着して治療を行う場合、装着後一定期間発音障害が起こることがあります。

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