リンガル矯正（裏からの見えにくい矯正）で治療を行った交叉咬合と叢生を伴う開咬症例。

　精密検査のデータに基づいた診断結果により、左側上顎第1小臼歯と下顎左右第1小臼歯の合計3本を便宜抜歯して矯正治療を行いました。患者さんの希望によりリンガルブラケット(歯の裏側に装置を取り付けて治療を行う見えにくい矯正)を使用して矯正治療を行いました。
　上顎右側前歯部の接着性ブリッジは撤去し、欠損部のスペース閉鎖を行いました。上顎右側犬歯を側切歯の位置に配列する関係で同部の歯冠形態修正を若干行いました。
　治療結果として、上下顎の歯列はともに整ったきれいな歯並びとなりました。前歯部の開咬と右側の交叉咬合も改善され、全ての上下顎の歯が正常に咬み合う機能的な状態となりました。

　After Ⅳの写真は治療途中の下顎歯列のものです。

　動的治療期間 : 3年3ヵ月

　治療費用：約130万円

　矯正治療には一般的に以下のようなリスクと副作用があります。

・患者さんによる適切なブラッシングが行われなかった場合に虫歯ができることがあります。
・ブラケット（装置）が粘膜を過度に刺激した場合、口内炎が起こることがあります。
・歯の初期移動の際に痛みを感じる場合があります。（通常数日で治ります）
・長期間の歯の移動により極めて希に歯根吸収が起こることがあります。
・矯正用の取り外し式ゴムを指示通り使用しなかったり、口腔の悪習癖が改善されない場合、計画している歯の動きが得られないことがあります。
・歯の裏側にブラケットを装着して治療を行う場合、装着後一定期間発音障害が起こることがあります。