成長発育期の骨格性反対咬合症例。
- 9~13歳
- 受け口(反対咬合)
- ガタガタの歯並び(叢生)
- 表からの矯正
12歳女児の患者さんです。反対咬合(受け口)を主訴に一般歯科からのご紹介で来院されました。骨格性反対咬合(上下顎骨の前後的な位置不正が原因)です。成長発育とともに上下顎骨の前後的な位置不正が進行し反対咬合が悪化するのが特徴ですので早期に矯正治療を開始するのが望ましいです。
矯正前
Before Ⅰ
Before Ⅱ
Before Ⅲ
Before Ⅳ
前歯部はすべて完全な反対咬合となっています。
また上顎歯列において叢生(ガタガタの歯並び)が認められます。右側犬歯から左側犬歯までが反対咬合(受け口)となっており、咀嚼障害を認めます。
矯正後
After Ⅰ
After Ⅱ
After Ⅲ
After Ⅳ
上顎にActive plate(患者さん自身で取り外しのできる装置)を用いて上顎前歯部の前方移動を行いました。その後、上下顎歯列にマルチブラケット装置を装着し、非抜歯にて上下顎歯列の整直を行いました。前歯部反対咬合については上顎前歯の前方移動と咬合平面の変化により改善を行いました。
治療結果として、上下顎歯列ともに整ったキレイな歯並びとなり、前歯部の反対咬合(受け口)は改善され正常で機能的な咬み合わせが得られました。
上顎骨の劣成長に起因する骨格性反対咬合(上下顎骨の前後的な位置不正が原因)においては、早期に前歯部の反対咬合の改善を行うことによって、それまで阻害されていた上顎骨の成長が促進されることで反対咬合の治療の成功につながっていきます。
動的治療期間 : 1年11ヵ月
治療費用:約90万円
矯正治療には一般的に以下のようなリスクと副作用があります。
・患者さんによる適切なブラッシングが行われなかった場合に虫歯ができることがあります。
・ブラケット(装置)が粘膜を過度に刺激した場合、口内炎が起こることがあります。
・歯の初期移動の際に痛みを感じる場合があります。(通常数日で治ります)
・長期間の歯の移動により極めて希に歯根吸収が起こることがあります。
・矯正用の取り外し式ゴムを指示通り使用しなかったり、口腔の悪習癖が改善されない場合、計画している歯の動きが得られないことがあります。
・歯の裏側にブラケットを装着して治療を行う場合、装着後一定期間発音障害が起こることがあります。