ヘッドギアにて上顎骨の成長抑制治療を行なった骨格性上顎前突症例。

　成長発育期の骨格性上顎前突の矯正治療において、上顎骨の成長コントロール治療は極めて重要です。ヘッドギアによる上顎骨の前方方向への成長抑制によりOver jetが増大しないようにしていく必要があります。熱心なヘッドギア装着による治療効果によりOver jetが減少できる可能性もあります。
　本症例では、患者さんのヘッドギアに対する協力も良く、マルチブラケット装置を用いて小臼歯を抜かず歯列の整直と咬合の確立が達成できました。
　治療結果として、上下顎歯列の叢生は改善されともにキレイな歯並びとなりました。上顎前突は（小臼歯非抜にて）改善され、正常で機能的な前歯部の咬み合わせとなりました。側方からみた口唇の突出感も改善されました。

　動的治療期間 : 2年11ヵ月

　治療費用：約90万円

　矯正治療には一般的に以下のようなリスクと副作用があります。

・患者さんによる適切なブラッシングが行われなかった場合に虫歯ができることがあります。
・ブラケット（装置）が粘膜を過度に刺激した場合、口内炎が起こることがあります。
・歯の初期移動の際に痛みを感じる場合があります。（通常数日で治ります）
・長期間の歯の移動により極めて希に歯根吸収が起こることがあります。
・矯正用の取り外し式ゴムを指示通り使用しなかったり、口腔の悪習癖が改善されない場合、計画している歯の動きが得られないことがあります。
・歯の裏側にブラケットを装着して治療を行う場合、装着後一定期間発音障害が起こることがあります。