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多数歯欠損をともなう成人の反対咬合症例。
- 50〜60代以上
- 受け口(反対咬合)
- ガタガタの歯並び(叢生)
- その他
- 表からの矯正
57歳女性の患者さんです。反対咬合(受け口)の主訴と一般歯科での欠損部の補綴治療を行うための補綴前矯正治療を希望され一般歯科からのご紹介で来院されました。マルチブラケット装置を装着し、一般歯科(補綴医)とのインターディシプリナリー治療(専門医連携治療)を行なった症例です。
矯正前
Before Ⅰ
Before Ⅱ
Before Ⅲ
Before Ⅳ
上下顎歯列の叢生(ガタガタの歯並び)と前歯部の反対咬合が認められます。さらに、右上の犬歯と第2小臼歯、右下の第2大臼歯と左下の第2小臼歯、第1大臼歯、第2大臼歯の合計6歯の欠損がありました。現状では欠損部への適切な補綴処置(人工の歯を取り付ける治療)が行えない状態でした。
欠損部の補綴治療にあたり歯列の整直・歯軸の平行性の確立・前歯部反対咬合の改善など矯正治療にて改善するべきことが多く認められました。補綴医と矯正専門医の連携による治療(インターディシプリナリー治療)を行うこととなりました。
矯正後
After Ⅰ
After Ⅱ
After Ⅲ
After Ⅳ
上顎にActive plate(患者さん自身で取り外しのできる装置)を用いて上顎前歯部の前方移動を行いました。その後、一般歯科(補綴医)と連携をとりながら、上顎は仮補綴が終了した段階で、下顎は左下臼歯部にインプラントを埋入し仮補綴が終了した後にそれぞれマルチブラケット装置を装着し、(補綴医との協議のうえ、ダメージの大きい保存不可能な)左下の側切歯を便宜抜歯して下顎歯列の整直と下顎前歯のリトラクションを行いました。
治療結果として、上下顎歯列ともに整ったキレイな歯並びとなり、前歯部の反対咬合(受け口)は改善され正常で機能的な咬み合わせが得られました。
矯正治療終了後には補綴医のもとで、上顎左側犬歯欠損部へのインプラント埋入を行い、その他の欠損部にも適切な補綴処置を行なっていただくことができました。
動的治療期間 : 1年8ヵ月
治療費用:約90万円
矯正治療には一般的に以下のようなリスクと副作用があります。
・患者さんによる適切なブラッシングが行われなかった場合に虫歯ができることがあります。
・ブラケット(装置)が粘膜を過度に刺激した場合、口内炎が起こることがあります。
・歯の初期移動の際に痛みを感じる場合があります。(通常数日で治ります)
・長期間の歯の移動により極めて希に歯根吸収が起こることがあります。
・矯正用の取り外し式ゴムを指示通り使用しなかったり、口腔の悪習癖が改善されない場合、計画している歯の動きが得られないことがあります。
・歯の裏側にブラケットを装着して治療を行う場合、装着後一定期間発音障害が起こることがあります。