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外科矯正(顎変形症)

2017/06/28スタッフブログ

今回は【外科矯正(顎変形症)治療】についてレポート致します。

 上下の顎骨の変形が認められたり、上下顎骨の位置関係のずれが大きいために、通常の矯正治療だけでは咬み合わせが改善できないタイプの不正咬合を「顎変形症」といいます。多くの場合、咬み合わせのずれと同時に、顔のバランスにも偏りがみられます。例えば、顎変形症であごが横に曲がっている場合は、上下の歯並びの正中線がずれており、正面からみたお顔が左右非対称になっています。

バージョン 2

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 あごの骨は歯の土台です。矯正治療では土台の上でしか歯を動かすことができません。上下の「土台」が大きくずれている場合、正しい咬み合わせの位置に歯を移動することは困難です。そこで「土台」そのものの位置を変える、すなわち外科的な手術を行って矯正治療を行うことが必要になります。また外科矯正により、よく噛める機能的な咬み合わせと同時に顔面骨格のアンバランス(ずれ)も改善することができます。

 外科的な手術と聞いて不安に思われる方もいると思いますので簡単な説明をさせて頂きます。手術方法は、下顎移動術、上顎移動術、上下顎移動術ですが、口腔内からの手術操作がほとんどであり、お顔に傷が残ることはほとんどありません。

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 いずれにしても、3-4週間程度の入院が必要になります。手術後は移動させた顎骨を安定させるために、顎間固定という処置が行われます。術後はお顔が腫れますが、数週間で治まります。半年もするとお顔の表情筋や咬筋の状態も変わってきます。下顎前突(受け口)や顔面左右非対称などもともとの変形が大きかった人ほど、長年のコンプレックスから解放される喜びは手術の大変さを上回るといえます。 

では、実際の治療例をご覧ください。

治療報告 顎変形症に対する外科的矯正治療

初診時  16歳0ヵ月 女性

主訴   下顎の前突感

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 開咬、反対咬合、叢生による著しい咀嚼障害が認められ、上下顎位置関係のずれが大変大きい為、外科矯正治療の適応症例と診断しました。

 治療は、まず非抜歯により術前矯正治療を行いました。

 手術は、上下顎骨切り術(上顎ルフォー骨切り術、下顎SSRO法)を行いました。

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 手術直後は顎間固定により上下顎骨の安定化を行いました。顎間固定解除後は、顎間ゴムを使用し後戻りを防ぎ、より緊密な咬み合わせを確立する術後矯正治療を行いました。術前矯正治療期間は1年11ヵ月、術後矯正治療期間は1年1ヵ月でした。

 外科的矯正治療により、機能的な咬み合わせが得られ、著しい咀嚼障害が改善されました。審美的には、下顎(オトガイ)前突感が著しく改善されました。

 外科的矯正治療では、術前・術後の矯正治療は矯正歯科にて、あごの骨の手術は病院の口腔外科で行います。従って、外科的矯正治療を開始するには、矯正医や口腔外科医による「顎変形症」という診断と、患者さんご自身の外科矯正治療開始の意志確認が必要となります。

 なお、治療費につきましては、「顎口腔機能診断施設」の認定を受けている矯正歯科ならびに口腔外科での治療に限って、健康保険が適用されます。その場合には、矯正歯科での術前・術後の矯正治療および口腔外科での外科手術や入院費用も保険が適用されます。顎口腔機能診断施設の認定を受けているかどうかは診療所や病院ごとに異なるため最初に確認しておきましょう。

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