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MFTを行った症例のご紹介 〜混合歯列期③〜

2021/06/19スタッフブログ

 

低年齢で理解力が乏しく、MFT指導では成果がみられない場合に舌スパー付きのリンガルアーチや舌スパー付きプレートやなどの装置を使う場合があります。

今回は舌スパー付きのプレート装置(取り外し式)を使用した患者さんのご紹介です。

 

 

【case 3】

初診時 7歳4ヶ月 女性 開咬

岩谷明い3
幼少期から現在まで指しゃぶりの癖がありました。
指しゃぶりの影響から上下の前歯が全く咬み合っていません。

特に左側の前歯部は押し広げられたように歯が前に押し出されています。

 

 

プレート

治療開始から取り外し式の舌スパー付きの拡大床装置を装着しました。

装置の取り外しはご自分で行なっていただきます。

 指を入れようとするとプレートに柵のようなワイヤーがついているため、それ以上指を入れられないようになっていて舌を前に出す、舌突出癖の予防にもなります。
この取り外し式の装置は、食事や歯磨きの時以外なるべく長時間装着していただきます。食事や歯磨きの時には自分で装置を外すことができるので、今までと同じように食事、歯磨きすることができ低年齢児のお子様にも簡単に使用して頂くことができます。

しかし、使用直後から舌でプレートを頻繁に触る癖がひどく装置の不適合や破損が頻繁にありました。

手を使わず舌の吸着力でプレートを着けたり外したりすると、ワイヤーの部分が変形してプレートは維持力を失い、簡単に外れるようになってしまいます。

装置がしっかりと密着して装着されないため、うまく歯の移動が起こらず徐々に装置が不適合になっていきます。

上の歯のプレート開始3ヶ月後、プレートの破損により装置の使用を中止し舌癖トレーニングを行いました。しばらくは装置をつけず、舌癖トレーニングのみでの経過観察になりました。

7歳7ヶ月

岩谷明い4

舌スパー付きのプレートの効果により、指しゃぶりの態癖はなくなったため開咬にだいぶ改善がみられます。

 

 

 

 

iwatani mei10

 

上の歯に装着するプレートを中止してから4ヶ月後、下の前歯を舌側移動させるため、下の歯に取り外し式のプレートを使用しました。

下の歯に使用するプレートでも、舌を使ってプレートを外したり、装置をパカパカと舌で弄ぶ悪習癖がまだ治りません。

まだ年齢も小さいので根気よく舌癖トレーニングに重点をおいて開咬の改善に努めました。

 

 

8歳9ヶ月

岩谷明い6
舌癖トレーニングの効果により、少し開咬に改善がみられます。

治療前 7歳0ヶ月
岩谷明い3

       ⬇︎

9歳0ヶ月

岩谷 めい8

こちらは治療前と現在の写真です。

上下の前歯は接触するくらいまで開咬が改善されてきています。

 

 

年齢が小さいうちは理解力が乏しく、なかなかこちらの伝えたいことを理解してもらえなかったり、装置の破損があったりと悪戦苦闘しましたが粘り強く指導した効果もありかなり開咬が改善され、嬉しく思います。

 

 

年齢が上がってくると、少しずつ指しゃぶりや舌突出癖などの悪習癖とはどういうものなのか、なぜ悪習癖を改善させないと咬み合わせが良くならないのか。ということが理解できるようになり、よりスムーズに効果が得られると思います。

 

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