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MFTを行った症例のご紹介 〜混合歯列期②〜
2021/06/07スタッフブログ
患者さんの年齢(低年齢)や動機付けがうまくいかなかったりなどの理由で、MFTだけでは効果が得られない場合もあります。
症例紹介の2回目は開咬によりMFTを行ないましたが、患者さんが低年齢のためトレーニングの効果が見られず、固定式の矯正装置をとりつけ治療を行った患者さんです。
【case 2】初診時8歳5ヶ月 女性 開咬 叢生
上下前歯は永久歯に生え変わっている状態ですが、全く咬み合っていません。前歯で食べ物を咬み切ることが困難(咀嚼障害)で、発音障害も認められました。
上顎歯列はスペース不足による叢生も認められました。
安静時も舌は下の前歯の裏に接触している状態で、嚥下時は舌を上下の前歯の裏側に押し出すように飲み込んでいます。
矯正治療開始と同時に取り外し式の拡大床装置を装着し、舌癖トレーニングも開始しました。
まだ年齢が小さいのでスポットポジションとポッピングのみ指導を行いました。
上の歯に取り外し式の拡大床装置終了後、舌スパー付きのリンガルアーチを装着しました(写真下)。
これにより舌が前に出てくるのを防ぐことが出来ます。固定式の装置なので自分で取り外しはできません。
舌スパー付リンガルアーチ
9歳7ヶ月
開咬がさらによくなっています。リンガルアーチを撤去し、舌癖コントロールのみで様子を見ていきます。
舌癖トレーニングを開始した時は低年齢のためうまく理解して頂けず、なかなか効果がみられませんでしたが、
固定式の舌スパ–付リンガルアーチを装着し、舌を置いておく位置を体で覚えることで舌を突出させないように
意識することができたのではないかと思います。
リンガルアーチを装着中は取り外すことができないため、食事や歯磨きなどは不自由をされたと思いますが
がんばってくださいました。