学校歯科健康診断
2022/05/20スタッフブログ
4月がスタートして1ヶ月が過ぎ、新生活にも慣れてきた頃でしょうか?
児童、学生の皆さんは毎年春頃、学校で歯科健康診断があると思います。
近年この歯科検診では、虫歯や歯肉炎・歯周炎の有無や顎関節の異常の他に歯列・咬合の不正についても診断されます。
歯列・咬合とは、歯並びや咬み合わせのことです。
歯列・咬合の不正は、子供の成長発育段階により、噛む・話す・呼吸する・体のバランスをとるなどの発達に影響が見られる場合があります。
以下のような状態であると学校歯科健康診断の結果で歯列・咬合の不正と判断されます。
反合対咬…上下の前歯の咬み合わせが前後逆になる。
上顎骨と下顎骨の前後的な位置不正に起因する骨格性反対咬合と上下の前歯の傾
斜角度が悪い為に反対咬合となっている歯槽性反対咬合があります。
骨格のずれが大きい場合は、外科矯正治療が必要となる場合があります。
上顎前突…上の前歯が前方に出ている。
遺伝や指しゃぶり、嚥下(飲み込み)の時に舌を前に突き出す癖(異常嚥下癖)
や口呼吸に関連することもあります。前歯で噛み切れないので咀嚼障害が起こ
ります。
開咬…部分的に上下の歯の接触が妨げられている。(主に前歯部の接触がない場合が多い)
指しゃぶり、舌癖、口呼吸が原因となることがあります。
前歯で物を噛み切れなかったり(咀嚼障害)、サ行やタ行が発音しにくいなどの
発音障害が起こる場合があります。
交叉咬合…咬み合わせが左右いずれかの奥歯又は前歯が横にずれている。
正中線(上下の歯の真ん中のライン)がずれている場合が多いです。
上下顎骨の変形が認められたり、上下顎骨の位置関係のズレが大きい場合、外
科的な手術を行って矯正治療を行うことがあります。
過蓋咬合…上の前歯が下の前歯に深くかぶさっている。
下の歯が全く見えないぐらいに咬み合わせが深い場合もあります。
上下の前歯が咬み合わない為、咀嚼障害があります。
叢生…歯が凸凹に生えたり、重なり合って生えている。
歯の大きさや数に対して、顎の骨が並ぶスペースがない場合に起こりやすいです。
歯が重なり合っている部分は、歯ブラシがしづらいです。
歯数異常…本来生えてくるべき歯数と異なる「歯数異常」は先天性欠如や埋伏歯、過剰歯が
ある場合が多いです。
※6歯以上の先天性部分無歯症、前歯3歯以上の永久歯萌出不全に起因した咬合異常(埋伏歯開窓術を必要とするものに限る)は、現在では矯正歯科治療が保険診療の適用になります。
これらの症状については、それぞれお子様の発達段階や個々の症状の程度により、必要となる対応が異なります。必ずしも治療しなければならないわけではありませんが、歯列・咬合の不正と判断された場合は一度、矯正歯科医院にご相談下さい。
(現在矯正治療中でも歯列・咬合の不正と判断される場合もあります)
記事一覧に戻る